君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
この姿を見て、引かれたかもって思っていたくらいだし。
マジ来てくれて嬉しかった。

「……んじゃ、そろそろ行くわ。……えっと……和也君も気をつけて帰れよな?」

本当はもっと一緒にいたい。
次に会う約束も交わしたい。

でもそんな言葉、言えそうにねぇ。
いつもそうだ。
顔を見ては言えない。
会う約束を取り付けるのだって、いつも電話じゃメールだし。
そんな恥ずかしいこと、本人を前にしてなんて、絶対言えない。

さっきから無駄に明るく接している分、和也君からの反応は薄くて、堪らなく寂しい気持ちにさせられる。
それでもどうにか最後まで笑顔を絶やしたくねぇ。


「じゃあ、また――……」

本気で車を降りよう。
そう思い、ドアに手を掛けた時。

「待って下さい!!」

いつになく大きな声で、私を呼ぶ止める和也君の声に、すぐさま振り返る。
するとなぜか和也君は、苦しそうに私を見つめていて、何か言いたそうな表情。

「……和也、君?」

初めて見る彼の表情に、一気に緊張が増す。
こんな和也君……知らない。見たことない。だっていつもニコニコ笑っている人だったから……。

恋愛経験ゼロに近い私。
でもそんな私でも、こんな和也君も見せられては、分かってしまった。
和也君が今、何を言いたいのかってことを――。

分かってしまったけど、逃げることなんてできない。
なんでか分からねぇけど、逃げちゃダメって気がして……。
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