君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
雨はより一層強く降りつける。
その音が車内中に響く中、どれくらいの時間、和也君と見つめ合っていただろうか……。
雨が降りしきる中、ゆっくりと言葉を選ぶように話し出したのは和也君だった。

「……本当は、ずっと前から五條さんに伝えようって思っていました……」

「え……?」

伝える?

その言葉により一層緊張が増す。
次の言葉が怖い。でも聞かないとけない気がする……。色々な思いが複雑に交差する中、言葉を続ける和也君。

「五條さんは、櫻田さんの友人だ。……だから最初は軽い気持ちで、あなたの誘いを受けました。……それにあなたの飲むのは、なかなか楽しかったですし」

そう言うと、思い出したかのように、一瞬優しい笑顔を見せる和也君。

「和也君……」

その笑顔に、胸がキューッて締め付けられてしまった。
無理矢理付き合わせていたってずっと思っていた。なのにまさか、楽しいって思ってくれていたなんて、夢にも思わなかったから……。

「でも、今日の五條さんを見て、ちゃんと言わないといけないって思って……」

さっきまでとは違い、急に目を伏せる和也君。
その言動に嫌な予感は、やっぱり当たってしまうのだろうか……?

私にはどうすることも出来なくて、ただ和也君の次の言葉を待つことしかできない。
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