君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
少し間が空いた後、真っ直ぐまた見つめられる。そして――。

「五條さん……。俺、好きな人がいるんです。……諦めようと思っていても、なかなか諦められないくらい、好きな人が――……」

一切視線を逸らさず伝えてくれた和也君に、『やっぱり……』と思ってしまった。
なんとなく……そんな気はしていた。
だって和也君の年齢で、しかも一企業の副社長がいまだに独身なんて、できすぎてるって思っていたし。
最初から、なんとなく心のどこかでそんな気がしていた。
でも、やっぱ辛いな。本人から言われるのは……。

「……そっか」

そんな和也君になんて言葉を返したらいいのか、分からない。
きっと私の気持ちなんて、最初からバレバレだったと思うし。そんな私にいつも付き合ってくれて、こうやって自分の気持ちを伝えてくれた。
こう言われちまったら、引き下がるべきだって思う。
……でもやっぱ、そんなの無理だ。

「でも私、そんなの気にしねぇから」

「え……?」

私の言葉が意外だったのか、驚いたように私を見つめる和也君。

「だって私、一目惚れだったし。……そんな和也君と菜々子の結婚式で再会できたなんて、もう運命としか考えられねぇからさ!」

二カッと笑い、和也君を見つめる。

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