君が好き。2~大好きな彼と結婚する方法~
「昔からそうだったじゃん。桜子はいつも何に対してもお構いなしだった。……正直、一緒にいて疲れるなって思う時もあったし、嫌だなって思ったこともあった。……でもそんな感情なんて“羨ましい”の一言でぶっ飛んじまっていたよ。……いつも自分の感情のまま行動できる桜子が、俺は昔から羨ましくて仕方なかった」

翔太の話に、私はただ驚くばかりだった。
だって三十年近く一緒にいるのに、まさか翔太がそんな風に思っていたなんて、思いもしなかったから……。

「それが桜子のいいところだったのに、な~に弱気になってんだよ!」

そしてまた、さっきみたいに得意気に笑う翔太。

「お構いなしなのが、桜子だろ?……だったら昔みたいに最後まで突っ走れよ。……最後まで突っ走ってもダメだった時は、また家に来い。酒やつまみくらい、いくらでも作って宏美と二人、たっぷり慰めてやるから」

「翔太……」

「そうですよ、桜子さん!家でよかったら、いつでも来てください!!桜子さんなら、いつでも大歓迎ですから!」

「宏美ちゃん……」

優しい二人の言葉に、つい涙が溢れそうになってしまった。

「おい、桜子が泣くとかキャラじゃねぇから、やめろよな?」

そこはすかさず突っ込みを入れてくる翔太。

「うるせぇ!」

おかげで、涙も出なくなったよ。

でも、本当……。

「……サンキュ」



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