しあわせだ。あえてよかった。だいすきだ。
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「こんなんなら、先輩に会いたくなかったよう」
半ば諦めたような口ぶりでそう呟いた後、メイはカクテルグラスの中のペールオレンジを煽った。
甘いヨーグルト味の芯からアルコールが湧き上がる。咽喉を突く圧は、この侵入をカラダが喜んでなどいないことを知らせていたように思えた。
それでもお酒が欲しくなる日は多々あって、彼女自身が決めた「美味しいお酒」を彼女は持っていて、それを呑みほし、身体の中身からやってくる圧力に耐える。
不毛だな、と思ったことはなかった。
煙草と博打には微塵も興味が湧かなかったこととそれとの違いは、彼女にはわからなかった。
山内メイは、お酒が好きな、フツーの女子大生だった。
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