こんな能力(ちから)なんていらなかった



 しれっと答える紫音。


くそっ、なんだこいつ!
頭いいの自慢しやがって!!


「今は勝てるかどうか自信ないな、だってお前あの高校行ってんだろ?俺のとこと偏差値に差がありすぎる」

「華桜院だって充分高いじゃん」


 それに例え自分の高校に通っていたとしても、成績が悪けりゃ意味がない。

 それよりは華桜院首席の方が絶対に凄い。


「だって、お前、……自分が読める言語いくつあるか知ってっか?」

「?日本語と英語?」

「……」


 紫音は絶句した後、自分のポケットを漁る。
 取り出したのは携帯。

 待つこと数分。


 紫音は画面をこちらに向けた。


「え、何これ!?何語!?」


 顔文字のωとかある。
 なんていうのかは知らないけど。


「言いから読んでみろ」

「何の冗談?」


 無理に決まってんだろ。

 しかし紫音は真面目な顔で促す。

 渋々とそれに目を通す。
 そして自分で自分に驚愕した。


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