『友人狩り』

窓の外は、さっきまで見ていた景色とは全く違った景色が広がっていた。
あたり一面には、何本もの木々が立っており、外の景色だけではのどかな場所といえるほど内と外では空気も変わっていた。

「…何で？遊園地だよね？遠足の場所って遊園地だよね？」

雫は郁哉の服を掴み、郁哉に聞いた。

「…ああ。」

郁哉も航平も困惑した顔を隠せないままだった。

「…とりあえず、皆を起こそう。」

航平は郁哉と雫の顔を見ながら言った。

その時―。

コンコン。

扉からノックの音がした。

雫は反射的に郁哉と航平の服を掴み、扉を見つめた。

ゆっくりと扉が開き、扉の隙間から眩しい光が入ってきた。

「お目覚めですか？」

扉から入ってきた人は光の逆光により男か女かもわからないが、そのよく響く声で誰が入ってきたのかがわかった。

扉が閉じると同時に部屋の電気が点けられ、顔がはっきりと見えた。

「これからのことを説明しますので、眠っている人たちを起こしていただけますか？」

バスで3年B組の引率者と名乗った南麗華は感情のない笑みを向けながら雫たちに言った。

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