『友人狩り』
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南麗華は扉に背を預けながら目を覚ましていく生徒たちを冷たい目で見つめていた。

＜運のない子…。＞

「全員、目を覚ましました。」

南麗華のサポート役の男性が南麗華に報告すると、南麗華はゆっくりと扉から身体を離した。

「では、これから行うゲームについて説明をいたします。」

南麗華の言葉を聞いた生徒たちは予想通りに騒がしくなりはじめた。
それを当然のように見つめると南麗華は、近くにいる男性に目で合図を送り、その男性は力強く壁を一発拳で叩き、騒がしい生徒たちを黙らせた。

「今から話すことをよく聞いておくことです。そうでなければ1番損をするのは、あなたたち自信ですよ。」

南麗華は怯えた目をしている生徒たちを見渡しながら言った。

「今から10日間、皆さんには『友人狩り』という国王様が考えたゲームに参加していただくことになりました。」

南麗華は部屋に立ち込めた空気が、このひと言で一変したのを肌で感じると続けて話した。

「皆さんは先月に行ったアンケートを憶えていますか？そのアンケートの結果を見た国王様が考え出したゲームです。先に申しておきますが、このゲームを辞退することは決してできません。それは、皆さんの家族の方にも事前に国王様から説明をしておられます。」

雫は南麗華の言葉を聞くと今朝の家族の様子を思い出した。

「今、皆さんがいるところは国王様が買い取られた森の中です。この森の中に、皆さんと同じように選ばれた菊島第一高等学校の3年4組の生徒たちがいます。」

南麗華がそこまで言うと、男性5人は生徒たち1人1人に金色のプレートを配り始めた。

そのプレートには、黒色で受け取った自分の名前が書いてあった。

「受け取ったプレートに書かれている名前と自分の名前が一致していない方はおられますか？…おられないのなら、話を続けます。」

南麗華は生徒たちの顔色を楽しみながら話して言った。
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