『友人狩り』

「おっ、雫。いいところに来た。女子のほう見てくんねぇ??」

郁哉が出てきたドアから航平が出てくると、雫がいることに気づき、雫に言った。

「…うん。」

雫は郁哉の横をすりぬけると、女のマークが付いたドアに入っていった。

「郁哉？」

航平はドアの前で自分の手を見つめている郁哉に声をかけた。
郁哉は目線を変えないまま航平に言った。

「あいつ、また痩せてる。」

郁哉は、はーっと息を吐くと壁にもたれた。

「やべぇな。これから…。」

航平は雫が入っていったドアを見つめながら呟いた。
郁哉も航平も何もしゃべらず、ただその場で立っているだけだった。

「郁哉？航平？」

ドアが開いたと同時に雫が郁哉と航平の名前を呼び、ドアから出てきた。

「…えっと、女子のほうはシャワーの個室が10個あって、その1つずつにシャンプーとかも置いてあって、女子の人数分の着替えもあった。トイレは個室が5個あった。」

「男子と同じみたいだな。」

航平はそう言うと、皆がいる部屋へと戻っていった。
その後を郁哉と雫も続く。

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