『友人狩り』
―キーンコーン、カーンコーン。
森中に学校で毎日のように聞くチャイムが鳴り響いた。
郁哉はハッと気づき、自分の腕時計を確認する。
―9時00分。
『友人狩り』が始まった。
さわさわ。
『友人狩り』が始まったというのに森の中は風の音しか聞こえなかった。
「本当に始まったのかな…?」
雫がボソッと呟いた。
「だって、静かだし…。それにこんなゲーム本当に実行されるわけ??」
雫は郁哉と哲郎の顔を見ながら言った。
すると、哲郎がはーっと息を吐き出し、その場でしゃがんだ。
「実行されていると思う。まだ始まったばかりだからわかんねぇだけだよ。」
哲郎は足元の草を引き千切りながら低い声で言った。
「哲郎…?」
郁哉は哲郎の名前を小さく呼んだ。
哲郎は1回郁哉と目を合わせると、また足元の草を引き千切った。
「俺の従兄弟な、俺と10歳近く離れていて…兄貴みたいな存在だったんだ。でも、5年前に死んだ。国王様に殺されたんだ。」
さわさわ。
「友達だったんだよ。国王様と…。でも、少し国王様に意見を言っただけで殺されたんだ。自分の思い通りにいかないと友達でも簡単に殺してしまうんだよ、今の国王様は。」
さわさわ。
「その国王様が考えたゲームだぞ??俺たちの命なんか何とも思ってないに決まっているだろう??」
哲郎はそう言うと立ち上がり、歩き出した。
その後ろ姿を風が優しく吹き撫でていった。
―――――
―――
森中に学校で毎日のように聞くチャイムが鳴り響いた。
郁哉はハッと気づき、自分の腕時計を確認する。
―9時00分。
『友人狩り』が始まった。
さわさわ。
『友人狩り』が始まったというのに森の中は風の音しか聞こえなかった。
「本当に始まったのかな…?」
雫がボソッと呟いた。
「だって、静かだし…。それにこんなゲーム本当に実行されるわけ??」
雫は郁哉と哲郎の顔を見ながら言った。
すると、哲郎がはーっと息を吐き出し、その場でしゃがんだ。
「実行されていると思う。まだ始まったばかりだからわかんねぇだけだよ。」
哲郎は足元の草を引き千切りながら低い声で言った。
「哲郎…?」
郁哉は哲郎の名前を小さく呼んだ。
哲郎は1回郁哉と目を合わせると、また足元の草を引き千切った。
「俺の従兄弟な、俺と10歳近く離れていて…兄貴みたいな存在だったんだ。でも、5年前に死んだ。国王様に殺されたんだ。」
さわさわ。
「友達だったんだよ。国王様と…。でも、少し国王様に意見を言っただけで殺されたんだ。自分の思い通りにいかないと友達でも簡単に殺してしまうんだよ、今の国王様は。」
さわさわ。
「その国王様が考えたゲームだぞ??俺たちの命なんか何とも思ってないに決まっているだろう??」
哲郎はそう言うと立ち上がり、歩き出した。
その後ろ姿を風が優しく吹き撫でていった。
―――――
―――