『友人狩り』
恐る恐る郁哉を先頭にして哲郎、雫の順にコテージの中に入っていき、郁哉が手前にあった電気のスイッチを押した。
パッと電気が点いた玄関には人の気配もなく靴もなかった。
3人は顔を見合わせた後、1つ1つの部屋を確認していった。

「誰もいねぇな？」

哲郎はカーテンを開けながら言った。

「まだ皆、森の中を歩いているのかな??」

雫はソファーに座り言った。

「それか、他のコテージに着いたかのどっちかだ。」

郁哉は台所にある冷蔵庫を開けて言った。

「あの女が言ってただろう。各学校に5つのコテージがあるって。お前らもいるか??」

郁哉は冷蔵庫からコーラを取り出すと雫と哲郎に向かって言った。

「勝手に飲んでもいいのかよ??」

哲郎が郁哉のほうに歩きながら言った。

「このコテージのモノは好きにお使い下さいって書いてる。」

郁哉は冷蔵庫に貼っている紙を親指で差しながら言うと「飲む??」と雫に聞いた。

「いる。」

雫は郁哉にそう言うと、哲郎が開けたカーテンの窓から外を覗いた。

「ほれっ。」

郁哉は雫にコーラを渡すと、窓を開けた。
台所のところでは、哲郎がゴソゴソと物色しているところだった。

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