『友人狩り』
それを合図かのように郁哉が雫の後に続けて話し始めた。

「1階はこの部屋と風呂、トイレが1個ずつ。2階は風呂、トイレが1個ずつあって、その他に部屋が2個あった。2階の部屋を男女で分けれるようになっていて、クローゼットの中に着替えとか必要な物が置いてあった。」

「風呂も1階と2階で男女で分かれるか…。」

翔馬が郁哉の話を聞いた後、考えるように言い、皆もそれに賛成した。

「台所だが包丁とか危なげな物は1つもなくて、冷蔵庫にはお茶やジュースがたくさん入ってある。他にも冷凍庫にはアイスが入ってあった。」

哲郎がさっき物色していた台所の話を始めた。

「ご飯はないの?」

梓が哲郎に聞いた。

「ある。カウンターの上に箱があるだろ??その中に保冷剤と一緒に8人分の弁当が入っていた。他には炊飯器もあるし、流し台の下に米があったからご飯は炊けるようになっている。米はたくさんあるけど、おかずになるようなものは弁当以外にはないな。」

「そういや、あの女の人言ってたな。2班分しか食べ物と着替えは用意してないって。」

信吾は台所に足を運び、冷蔵庫や棚を開けたり閉めたりしながら言った。

「携帯の充電器は??あるの??」

薫が携帯をポケットから出しながら聞いた。

「うん。メーカー関係なく充電できるように充電器があるよ。」

雫はそう言うと、扉の近くにある棚の引き出しから充電器を取り出してきて薫に渡した。

「充電器も2つか。」

翔馬は雫が持っている2つの充電器を見て言った。

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