昨日よりも少しでいい


心華said



病室のドアがゆっくりあいて

私の名前を懐かしい声が呼んだ


「青野先輩!?」


何でいるの!?

会わないって決めたばっかで

もう思いだしたくもなかったのに


なんでっ


先輩は私を強く抱きしめて

切なく呟いた


「ずっと…こうしたかった」


拒まないと

拒まないと


そう自分に言い聞かせても

声に出してみてもだめだった


私は先輩が好き

先輩の記憶を思いだしたい


忘れたままさよならなんて

やだよ……





< 177 / 187 >

この作品をシェア

pagetop