昨日よりも少しでいい
手を伸ばすと
皆が泣きながら私の名前を
呼んでいた
先輩は私の手を握って
「もう……目、
覚まさないかと思った……」
先輩は強く私を抱き締めた
でもどうしよう
抱き締め返せない
「思い出しちゃった」
「…」
お母さん、将平、加奈子、先輩
みんなの動きが止まった
「1人になりたい」
「しん…「名前呼ばないで」
先輩が私の名前を呼んだ瞬間
つい冷たく言ってしまった
でも今の私には
余裕なんて全くない
お父さん
お父さん
「お父さんに会いたいよぉ……」
「お父さん、お父さん返して…」