逆ハーレムに巻き込まれました。
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【ユウリSide】
僕がリタと友達になったのは、花びら舞い散る4月の入学式のことだった。
『ユウリ君って言うんだね。私はリタ!よろしくね!』
入学式の行われる体育館が分からず困っていた僕に話しかけてくれたのが、彼女だった。
お互いに選んだ科目は違うけれど、今日からこのガルヴァール魔法学院で学ぶ者どうし。
親近感を覚えた僕は、すぐにリタと仲良くなった。
――それから彼女と僕は、登校する時に姿を見かけたら話しかけ、一緒に学校へ向かう程度には仲良くなった。
彼女はその明るい性格から、気難しいと噂だった剣士科の優等生・ヒースや生徒会書記のサクヤ先輩とも友達になっていて、そんな彼らも交えて毎日登校するようになっていた。
……違和感を感じたのは、それから二カ月後だった。
『うー、体育で転んじゃったよ。恥ずかしいなぁ』
そう言って、しょんぼりと肩を落とすリタ。
その傷が、少しずつ増えていたのだ。
しかし僕たちは何も気付かず、
『大丈夫?』
『リタはドジだからなぁ……』
『今度、受け身を教えてあげるよ!』
そんな言葉しか、かけてあげることができなかった。
ちょうどその頃、リタから一人の女子生徒を『友達』だと紹介された。
その女子は外見だけ見れば可愛かったけれど、時々甘い目でこちらを見てくるので、僕たちはあんまり好きじゃなかった。
けれど、彼女はリタの友達。そう思ったので、邪険に扱う事はしなかった。
そして――破綻は、唐突に訪れた。