逆ハーレムに巻き込まれました。
『ほーらね。こんな空気になると思ったから、言えなかったの』
そんな時、鬱々とした思考を、明るい声が断ち切った。
――リタだった。
『イジメなんて、正直どうでもいい……って言ったらウソになっちゃうけど。
私が一番辛いのは、皆が『原因は俺だ』って自分の事責めて、関係がギクシャクしちゃう事なの』
苦笑しながら紡がれるその言葉に、思わず目を剥いた。
――この、か弱い少女にしか見えない同級生は
『私は、皆と一緒に登校する時間が楽しいの。例えイジメられてても、皆と一緒にいる時間は好きだし、大事なんだ。
だからこれは、私が自分で勝手に言わなかっただけ。皆が頼りないとかじゃ全然ないからね?』
一体、どこまで強いんだろうか。
『……潰すぞ』
その後。
挨拶をしてリタの部屋を出た僕たちは、リョウ先輩の声に一斉に頷いた。
――そして一週間後。
イジメは、完全になくなっていた。