逆ハーレムに巻き込まれました。
「ヒース君って、実はとっても強かったんだね……!」
「……別に。基本の型を振り続ければ誰だってできることだろ?」
魔獣との戦いの合間に少し褒めたら、ぶっきらぼうな答えが返ってきた。
けど耳は真っ赤だったから、恐らく照れていたんだと思われる。
……なんて油断していたら、草陰に隠れていた一匹の魔獣がこちらへ飛びかかってきた。
「げ」「やばっ」
慌てて、私とヒース君がそちらへ向き直ったその時――
「【水刃】!」
「【爆炎】!」
そんな叫びと共に赤と青の光が迸り、あわれ魔獣は一瞬で炭化した肉塊へと変わり果てた。
振り返ると、そこにいたのはアレン君とリタ。
「ありがとう、助かった!」
「どういたしまして。二人とも怪我はない?」
「大丈夫だよ!」
「ごめんね、セリナちゃん達にばっかり前で戦わせて……」
「適材適所だろう。……その代わり、リタとアレンは援護頼むからな?」
「……うん!」