逆ハーレムに巻き込まれました。
ヒース君の言葉に、リタが元気よく頷く。途端、顔を真っ赤にして俯くヒース君。
いやぁ青春だねぇ、なんてオバサン臭い事を思いながら魔獣の気配を探っていると、近くの茂みからサクヤ先輩とシェイド君が出てきた。
「犯人の可能性があるグループは、一定の距離を置いて僕たちについてきてるよー!」
「魔獣に観察させていますが、今のところ目立った動きはないようです」
「分かりました、ありがとうございます!」
今回、サクヤ先輩とシェイド君は魔法陣の犯人探しの方を担当してもらっている。
怪しい人物や罠があったらすぐに知らせてくれるため、特攻部隊である前衛としてはとても助かっている。
さらに、リョウ先輩とその援護に回っていたユウリ君も帰ってきた。
「おし、これで一気に森の深部へ行けるようになったはずだ」
「僕たちで、ここら辺にいた邪魔な魔獣は全部狩ったからね!」
そう言って胸を張る二人は、ところどころ怪我を負っていた。気付いたシェイド君がすぐに魔法を唱え、二人の傷を治している。
最後に合流したのは、クリュウとガンツ先生だった。……だけど、何故か二人とも疲れ切った顔をしている。