逆ハーレムに巻き込まれました。
「おやぁ?まだ立っていられるとは……流石は転校生、と言うべきなのかな?」
「くくッ……まぁどうせ、すぐに俺たちに押し倒されるんだ。一緒だろ」
茂みの向こうから現れたのは、8人の男子生徒だった。
彼らの見た目として一致しているのは『軽薄そう』という一点のみで、学年にも学部にも全く共通点は見当たらない。
私は下品な笑顔を浮かべる彼らを睨みつけながら、静かに口を開く。
「この前の魔法陣といい、今の呪いといい……全部、貴方たちの仕業なの?」
「はぁ~?魔法陣なんて俺たちは知らねぇなぁ~」
「俺たちはただ、君と……そこにいるリタちゃんを好きなようにしていい、って言われただけだしィ?」
そう言って、私とリタをニヤニヤしながら見てくる男子。
その魔力には、『負』の感情による揺らぎは一切みられない。
つまり、彼らは……本当に心の底から、私とリタを慰み者にしようとしているようである。
『……呆れた』
『おいセリナ、しばらく時間稼げ!今すぐ片づけて……』
『いい、大丈夫』
『は?……だってお前、さっき緊急事態って!』
『倒すメドは立ったから、こっちの心配はしなくていいよ。むしろ来ちゃダメ、巻き込むかもしれない』
私はクリュウに心の中でメッセージを送りながら、徐々に近づいてくる彼らから少しずつ後ずさった。