逆ハーレムに巻き込まれました。
強引に破られたシャツから音を立ててボタンが引きちぎられる。
「ま、待って、やめて!……だ、誰かッ!」
「あっは、助けなんて求めてるのーでもムダだよぉ?誰もここに来やしないってぇ」
「ま、まさか……森に入ってから大量に出現していたあの魔獣は、全部貴方たちの仕業なの!?」
「あれ、気付いたのぉ?まぁバレても問題ないからいいけどさーぁ」
今ここで君を食べられるしね、と言って笑いあう男子達。
私は、そんな彼らを愕然とした表情で見つめる――演技をした。
(はい、これで言質は取れたーっと)
冷めた心で呟きながら、今回の騒動について簡単に想像する。
――おそらく今回の主犯は、予想通りの女子グループなのだろう。
しかし、逆ハーレムメンバーによって確実に守られていた私とリタへ嫌がらせをする機会はなく。
奥の手として用意されたのが、適当に見繕った男子に『呪い』を使わせて周囲の人間もろとも戦闘不能に陥らせた上、私とリタを傷物にするという作戦。
そして今は、その作戦の真っ最中というわけだ。