逆ハーレムに巻き込まれました。
――委員長は私が最大出力で使った【風圧】の余波を受けたらしく、それ以来意識が戻っていない。
クリュウ曰く、私が男子に囲まれているのを見たアレン君は、クリュウの制止を振り切って助け出そうとしてくれたらしい。
そして私の風によって吹き飛ばされ、そのまま意識を飛ばしてしまったのだとか。
……その話を聞いて以来、私は毎日アレン君のお見舞いに来ている。
「ったく、だから俺様は止めたのに……」
「魔力にも、特に異常は見られないのにね……」
私はクリュウと話しながら、アレン君の魔力を確認した。
けれど、何度見直しても魔力の流れは正常で。
むしろ何故まだ目を覚まさないのか分からず、私は小さく溜息をついた。
すると、そんな私の心情を察したのか、クリュウが後ろから抱きしめてきた。
「俺様が言っても、意味はないのかもしれねぇが……あんまり気に病むもんじゃねぇ。セリナの身体にも悪いからな」
「……うん」
背中から伝わる、温かい体温。
その温度に少し安心感を感じながら、私は小さく頷く。
その時不意に、病室のドアがノックされた。