逆ハーレムに巻き込まれました。
3章 彼の話を聞きました
【第三章 転生】
■1■
こちらへの敵意を剥き出しにしたゴブリンが、私の視界を埋め尽くす。
その口からとめどなく流れるのは、荒い息と粘性を持った唾液。
それを無感動に見つめながら、私は握っていたカタナを正眼に構えた。
――アレン君が目を覚ました翌日。
私は冒険者ギルドからの要請により、大量発生したゴブリンの討伐クエストに参加していた。
ゴブリンというのは、成人男性と同じくらいの大きさの魔獣である。森の奥で集落を作って生活しているのだが、好物は若い女の肉だというからタチが悪い。
ちなみにゴブリンは独自の言語を持っているらしいのだが、残念ながら私にはただの呻き声にしか聞こえなかった。
(まぁ、聞こえたところでどうせ『餌だ!』くらいにしか思ってないんだろうけどさ……)
私は心の中で溜息をつきながら、自分を取り囲む大量のゴブリンを睨みつけた。
ジリ、ジリ、と徐々に小さくなっていくゴブリンの輪。
やがて、我慢のきかなくなったらしい一匹がこちらへ飛び掛かってきたことでその均衡は破られた。
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こちらへの敵意を剥き出しにしたゴブリンが、私の視界を埋め尽くす。
その口からとめどなく流れるのは、荒い息と粘性を持った唾液。
それを無感動に見つめながら、私は握っていたカタナを正眼に構えた。
――アレン君が目を覚ました翌日。
私は冒険者ギルドからの要請により、大量発生したゴブリンの討伐クエストに参加していた。
ゴブリンというのは、成人男性と同じくらいの大きさの魔獣である。森の奥で集落を作って生活しているのだが、好物は若い女の肉だというからタチが悪い。
ちなみにゴブリンは独自の言語を持っているらしいのだが、残念ながら私にはただの呻き声にしか聞こえなかった。
(まぁ、聞こえたところでどうせ『餌だ!』くらいにしか思ってないんだろうけどさ……)
私は心の中で溜息をつきながら、自分を取り囲む大量のゴブリンを睨みつけた。
ジリ、ジリ、と徐々に小さくなっていくゴブリンの輪。
やがて、我慢のきかなくなったらしい一匹がこちらへ飛び掛かってきたことでその均衡は破られた。