逆ハーレムに巻き込まれました。
「っていうかちょっと待って。『美男子と恋に落ちる』ってさっき言ってたけど……もしかしてそのお相手って」
「……お察しの通り。僕を含めた、リタさんを囲むメンバー全員の事だよ。ガンツ先生もね」
「ってことは、7人のうちの誰かと恋をする可能性があったって事か!……ちょっと候補が多すぎな気もするけど」
「いやまぁ、乙女ゲームってそういう物だし。
あと驚いてるとこ悪いけど、その中の誰かと結ばれる予定なのはセリナさんだからね?」
「えー……信じられん」
私はそう答えると、頭を抱えてウンウン唸った。
そもそも、最初に出会った時からリタは『逆ハーレム状態』だったのだ。
その逆ハーレムの中心が、リタではなく私だった未来とか……うん、想像できない。
そう言うと、アレン君は『それもおかしいんだよ』と眉を寄せた。
「ゲームが始まるのは、セリナさんが転校してくる高校二年の二学期からのはずなんだ。なのに、その前から逆ハーレムを作っているなんて……」
「でもさ、現実でもゲームでもリタは一年の頃からいるワケでしょ?なら、ありえない話では……」
「逆ハーレム状態になるまでの過程だけ、ゲーム通りだったとしたらどうする?」
「…………」