逆ハーレムに巻き込まれました。
それを聞いて驚いた村人は、セリナにそれは真実なのかと聞いた。
それに対してセリナは、不思議そうな表情で言ったのだ。
『感情を吸ったのかどうかはよく分からない。けれど、この村人の周囲で渦巻いていた黒いモヤは消えている』と。
――セリナは元々、人の『負』の感情を見ることが可能だった。
村人がそれに気付けなかったのは、彼女の言う『黒いモヤ』等の発言を単なる『子供特有の妄想』だと決めつけていたからだった。
……セリナは、幻覚や妄想などではなく本当に『黒いモヤ』が見えるらしい事。
『黒いモヤ』の正体は、どうやら人間の持つ『負』の感情であるらしい事。
そして、どうやらセリナにはその『黒いモヤ』を吸収する力があるらしい事。
それらを理解した村人は、セリナの処遇をどうするか悩んだ。
悩んで、悩んで……ついに思いついたのは、セリナを商売道具として利用する事だった。