逆ハーレムに巻き込まれました。
祭壇の上に作られた自分の席でぐったりと倒れこんでいた時、突然開かれた扉。
そちらへ目を向ければ、手に手に武器やら農具やらを持ってこちらを睨みつける村人たち。
――そして、それが自分めがけて勢いよく振り下ろされる。
『今まで私たちを騙していたんだね!?』
『この吸血鬼め!』
『バケモノ!』
信じられない光景に驚いていた私は、為す術もなく殴られるしかなかった。
『ねぇ、これはいったい……』
『口を開くな!気持ち悪い!!』
事情を聞こうとすれば、鍬で頭を強く殴られた。
それでも、疑問は尽きない。
(なんで?なんで?……どうして?)
自分は、みんなの役に立ちたかっただけだ。
みんなに言われた通り、ちゃんとお仕事をしていただけだ。
それなのに、どうしてみんなは私を睨みつけるの?
ちゃんといい子にしてたのに。言われた事は守っていたのに。
――結局、事態が把握できないままの私が唯一理解できたのは。
『お前なんか……死んでしまえ!!』
彼らにとって、自分はもう必要のない邪魔者なのだという事だった。