逆ハーレムに巻き込まれました。
今頃困惑しているだろうシェイドに申し訳ない気持ちになりつつ、通信水晶をベッドの上へ放り投げて部屋の外へ。
(とりあえず、今からクリュウ君を探さなきゃ……!)
ゲームでは、これから暴走する予定であるクリュウ君。
もしもゲーム通りなら、契約関係にあるセリナちゃんが暴走している現在も影響を受けて苦しんでるかもしれない!
慌てて寮の外へと飛び出そうとした私は、ふと思いついて引き返す。
もしかしたら、クリュウ君はセリナちゃんの部屋にいるかもしれないと考えたのだ。
夢中で階段を駆け上がっていると、踊り場でアレン君に出くわした。
「あ、リタさん!……どうしたの?そんなに慌てて」
「アレン君いいところに!お願い、ちょっと手伝って!!」
私はそう言うと、先ほどシェイドに伝えた事をアレン君にお願いした。
アレン君も戸惑っていたけれど、私の切羽詰まった様子を見てとりあえず協力してくれる事になった。
「ねぇリタさん、一つだけ聞かせて欲しい!これは『LOVERS HOLIC』のゲームシナリオに関係しているのかい!?」
すぐにその場を去ろうとした私の背中に投げかけられたのは、予想外の質問。
動揺して一瞬動きの止まった私は、そういえばアレン君がゲームの記憶を持っていたのだと思いだす。