逆ハーレムに巻き込まれました。

けれど、この『魔力暴走』イベントを知らないという事は、あまりやりこんではいなかったのかもしれない。


私はくるりと振り返ると、アレン君の目をまっすぐ見据えた。



「そうだよ、これはイベント。……しかも、このイベント次第ではセリナちゃんが死んじゃうの！

お願い必ず全員であの光の場所まで――セリナちゃんの元まで行って！はやく!!」



それを聞いたアレン君は、青ざめた顔で頷くと走り始めた。


その姿を見た私も、セリナちゃんの部屋の方へと駆け出す。


震える足を叱咤しながら全力で階段を駆け上がり、ようやく私はセリナちゃんの部屋の前へとたどり着いた。



「……く、クリュウ君！いるの!?」



私は声をかけながらセリナちゃんの部屋のドアを開け、中へ一歩踏み込んだ。


そして。



「――なんだ」



地獄の底から響くような低い声に、思わず硬直してしまった。