逆ハーレムに巻き込まれました。
【リョウSide】
その光が見えた時、俺はサクヤと共に授業の復習を行っていた。
「……なんだ、あの光は」
「さぁ……」
俺達は互いに顔を見合わせた後、特に気にしないで勉強を再開させる事にした。
二人とも、
『どうせ、学園の誰かが魔の森で実験をしてるんだろう』
という結論に達したからだ。
ガルヴァールでは、夜間でも特に外出を禁止していない。
『生死については自己責任』という注意書きはつくが。
……だが、いざ勉強を再開しようとすると、俺もサクヤも手が進まない。
俺は教科書をめくる手を止めると、サクヤを見た。
「サクヤ、悪い。……俺やっぱり、あの光が気になるわ」
「奇遇ですねリョウ、僕もなんですよ。先ほどから、なんとなく魔獣たちが騒いでいまして……」
「魔獣が?」
驚いた俺が聞き返すと、サクヤは神妙な顔で頷いた。
魔獣とはいえ、動物である事には変わりない。何か野生の勘でも働いているのだろうか。
気になった俺たちは、武器を持って外出する事にした。