逆ハーレムに巻き込まれました。
「まぁ、明日の朝になって生徒が一人死んでいました……なんて事になったら嫌ですしね」
「確かにな」
話しながら向かったのは、魔の森に一番近い西門だ。
……サクヤが飼育している中型魔獣に騎乗した方が速いという案もあったのだが、魔獣が興奮している今は使わない方がいいだろうと判断した。
しかし西門へと向かう途中、俺達を呼ぶ声が聞こえた。
「さ、サクヤ先輩!リョウ先輩!待ってくださーい!!」
パタパタと走ってきたのは1年のシェイドだ。その後ろからはユウリと、何故か不機嫌なヒースもついてくる。
俺達の元へやってきたシェイドは、息を切らしながら光の柱を指でさす。
「あ、あの!今からあそこに行くんですよね!?」
その質問に頷くと、やっと呼吸が落ち着いてきたらしいシェイドが顔を上げる。
そして、
「姉さんから頼まれて……お願いします、俺達も一緒に行かせてください!」
そう言って、深く頭を下げた。
……突然頭を下げられて面食らった俺とサクヤは、思わず硬直してしまう。
というか、
「姉さんってことは……リタが言ったってことか?」
「はいっ!」
大きく頷くシェイドの言葉に驚いた俺は、思わず眉を寄せた。