逆ハーレムに巻き込まれました。
(……いつものリタなら、俺達が戦いに行こうとすると止めるのに。どうしたんだ?)
しかし、厳しい表情の俺を見たシェイドは、提案を断られると思ったのか慌てて話し始めた。
「ぼ、僕も詳しい事は分からないんです!姉さん、なんだか凄く慌ててたので聞けなくて。
……セリナお姉さんが危ない、みたいな事を言ってたのは聞いたんですが」
そう言うと、自信なさげに俯くシェイド。
しかし、その発言を聞いた俺とサクヤはそれどころではなかった。
「セリナさんが危ない!?それは一体どういう事ですか!」
「あいつ、あそこにいるのか!?」
「いやだから、僕もよく知らないんですーッ!」
思わず詰め寄ると、シェイドが半泣きで叫んだ。ちょっと威圧しすぎたか。
しかし……と思いながら顔を上げれば、見えたのは未だにそびえたつ光の柱。
先ほどは気付かなかったが、今ならあの柱から膨大な魔力が流れ出しているのが分かる。
―もしも、あの魔力がすべてセリナの物だとしたら。
「……よし、急ぐぞ!!」
俺はみんなに声をかけると、西門の方へ向けて走りだした。