逆ハーレムに巻き込まれました。




(……いつものリタなら、俺達が戦いに行こうとすると止めるのに。どうしたんだ?)



しかし、厳しい表情の俺を見たシェイドは、提案を断られると思ったのか慌てて話し始めた。



「ぼ、僕も詳しい事は分からないんです!姉さん、なんだか凄く慌ててたので聞けなくて。

……セリナお姉さんが危ない、みたいな事を言ってたのは聞いたんですが」



そう言うと、自信なさげに俯くシェイド。


しかし、その発言を聞いた俺とサクヤはそれどころではなかった。



「セリナさんが危ない!?それは一体どういう事ですか!」


「あいつ、あそこにいるのか!?」


「いやだから、僕もよく知らないんですーッ!」



思わず詰め寄ると、シェイドが半泣きで叫んだ。ちょっと威圧しすぎたか。


しかし……と思いながら顔を上げれば、見えたのは未だにそびえたつ光の柱。


先ほどは気付かなかったが、今ならあの柱から膨大な魔力が流れ出しているのが分かる。


―もしも、あの魔力がすべてセリナの物だとしたら。



「……よし、急ぐぞ!!」



俺はみんなに声をかけると、西門の方へ向けて走りだした。




< 171 / 228 >

この作品をシェア

pagetop