逆ハーレムに巻き込まれました。




【ガンツSide】



それに気付いた時、俺は学園内に不審者がいないか巡回しているところだった。



(あぁ、魔力暴走か)



光の柱を見た時、思ったのもそれだけ。


ちなみに魔力暴走というのは、その名の通り自分の魔力が制御しきれなかった時に起きる現象である。


そんなに頻繁に見かける事はないが、特に珍しくもない光景。


――なのに、あの光を見ると胸騒ぎがするのは何故だろう。



「…………」



俺は立ち止まると、もう一度光の柱を仰ぎ見た。


どうやら魔力暴走は、学園の西にある魔の森で起こっているようだ。


学園内での出来事ならともかく、学園外の事は自分には無関係だ。それがたとえ、生徒の起こしたものだったとしても。


そう、頭では分かっているのだが……。



「…………チッ」



俺は小さく舌打ちすると、手早く見回りを終え、そのまま走りだした。



(……以前の俺とは大違いだな)



そう考えて、ふと思い出したのは数年前の自分のこと。




< 172 / 228 >

この作品をシェア

pagetop