逆ハーレムに巻き込まれました。
【ヒースSide】
どうしてこんな事になったんだろう、と俺ことヒースは思う。
――事の発端は、慌てた様子で部屋に入ってきたユウリとシェイドの叫び声だった。
『ヒース君起きてー!セリナちゃんが大変なんだってー!!』
『ヒース先輩!姉さんからの頼みなんです、起きてください!』
ちょうど眠ろうとしていた俺は、不機嫌になりながらも『セリナ』『姉さん』という言葉が気になって目を開いた。
(しょーもない用事だったらタダじゃおかねぇ……)
眠すぎて口を開けるのも億劫なので、心の中で恨み言を呟きながら渋々起き上がる。
すると二人は、何やらワケのわからない事を言いながら俺に武器を持たせ、そのまま外へ引きずり始めた。
もうこうなったら、嫌がらせついでに引きずられたまま眠ってやろうか……なんて本気で考えていた俺が起きたのは、
結局外に出て空を突き刺す赤い光を見た時だった。
『……おい』
『なーにヒース君。起きたなら自分で歩いてよー』
『……あの光の柱、なに』
『えぇぇ!?ちょ、散々僕とシェイド君で説明したのに聞いてなかったの!?』
『寝ぼけてたからな』
『そんなッ!?』