逆ハーレムに巻き込まれました。




ショックを受けて落ち込んだユウリが俺から手を離したせいで、俺は背中をしたたかに打つ羽目になる。


思わず恨みがましい目でユウリを睨みつけていると、苦笑いしたシェイドが『あそこが今から僕たちの向かう場所ですよ』と教えてくれた。


よく見れば、それは魔の森の方角に立っている。



(なるほど、それで俺に武器を持たせたのか……)



一人でそんな風に納得していると、急にシェイドが走り出した。


驚いた俺とユウリが慌てて後を追うと、そこにいたのはサクヤ先輩とリョウ先輩。


シェイドが二人と話し、先輩たちも遺書に光の場所まで向かうことになった。


――そして、現在。



「……おいヒース、体調は大丈夫か。さっきからボーッとしているが」


「えぇっ、大丈夫!?」


「……大丈夫です。ちょっと眠いだけなんで」



ガンツ先生とアレンに心配された俺は、欠伸をかみ殺しながらそう答えた。


――学園の西門をくぐって外へ出た俺たちを待っていたのは……奇妙な乗り物に乗ったガンツ先生とアレンだった。


二人は、俺たちが出てくると予想して待っていたのだという。


想像もしていなかった事態に思わず固まった俺たちへ、ガンツ先生は一言。



『出るぞ。乗れ』



……というわけで、俺たちはその奇妙な乗り物に乗る事になったのだが。




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