逆ハーレムに巻き込まれました。
真意と決着
■3■
【クリュウSide】
本当は、魔力の気配が完全に消えた時に分かっていた。
セリナが《龍玉》を自ら壊して――俺様との契約を破棄した事も。
最後に、俺様の本当の名前を呼んでくれた意味も。
……だけど、理解したからといって納得できるかどうかは別で。
どうしても認めたくなかった俺様は、気付けば光に向かって吠えていた。
――もしかしたら、俺様は思っていた以上にセリナに依存していたのかもしれない。
***
「……く、クリュウ君!いるの!?」
果たして、どれぐらいの時間が経ったのか。
セリナの部屋で立ち尽くしていた俺様は、自分を呼ぶ声に気付いて顔を上げた。
「――なんだ」
答えながらゆっくりと振り向けば、そこにいたのは息を切らせたリタだった。
セリナじゃなかった事を密かに落胆しつつ、俺様はリタへ向きなおる。
「……何の用だ。俺様は今、機嫌が悪いぞ」
そう言って八つ当たり気味に睨みつけると、リタは一瞬ビクリと身体を震わせた。
しかしすぐに背筋を伸ばすと、俺様の目をまっすぐ見つめ返した。
そして――
「あの、どこか身体の調子が悪かったりしませんか!?」
「……は?」
聞かれたのは、なぜか体調の事だった。