逆ハーレムに巻き込まれました。
彼女は何かを理解したように何度も頷くと、俯く俺様の前で仁王立ちをした。
そして。
「……で、クリュウさんは何をいじけてるんですか!早くセリナちゃんの元に行ってください!!」
そう言うと、俺様の肩を力任せにガクガクと揺さぶった。
その行動に苛立った俺様は、その手を乱暴に振り払って叫ぶ。
しかし。
「勝手な事ぬかすんじゃねぇ!セリナはな、俺様なんて必要なくなったから《龍玉》を壊したんだよ!そうでもなけりゃ、」
「――あんたは大馬鹿かッ!?この俺様ヘタレ!!」
俺様の言葉は、眉を吊り上げたリタの一言によって遮られた。
思わず言葉を失う俺様の前で、リタは怒りも露わにこちらを強く睨みつける。
「あのねぇ、セリナちゃんはクリュウ君の事が必要なくなったから《龍玉》を壊したと本気で思ってるわけ!?」
「でも……」
「でもじゃないわよ黙ってなさい!仕方ないから教えてあげるけどね、セリナちゃんはクリュウ君を守るために自ら《龍玉》を壊したのよ!
自分の魔力が暴走すれば、クリュウ君にも被害が及ぶと思ったからこそね!」
「な……!っていうかお前、セリナの過去の事知ってるのか!?」
「えぇ知ってるわよ!それだけじゃない、今この瞬間にもクリュウ君を守るためにセリナちゃんが苦しんでる事だって知ってるわ!」
「…………ッ!!」