逆ハーレムに巻き込まれました。
横になるまでは眠れるかちょっと心配だったけれど、それは完全な杞憂に終わったらしい。
まどろみながら目を開けると、青かった空は綺麗な茜色に染まっていた。
「……ぅー、よく寝たなぁ」
私はゆっくりと起き上がると、思い頭を両手で押さえる。
(ちょっと寝すぎたかも……)
とりあえず水を飲もうとベッドから降りたその時、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「はーい。どなたですか?」
私は水の入ったコップを持ったままドアを開ける。
すると、そこに立っていたのは――果物の入ったカゴを持つリタだった。
「こんにちは。体調の方は大丈夫?」
「ん、今起きたとこ」
「そっか。……あ、これはお見舞いねの品ね!どうぞ!」
「お、ありがとー!」
私は果物の入ったカゴをしっかりと受け取ると、リタを部屋の中へ招き入れた。
そのままリタをベッドへ座らせると、私は早速リンゴを手に取る。
「セリナちゃん、私やるよ!?」
「いーよいーよ、リタはお客さんなんだから。……で、どうしたの?」
「うん……改めて、攻略対象である彼らのことをセリナちゃんに教えようかなと思って」
私が尋ねると、リタが真剣な表情で答えた。
予想外なその言葉に、私は思わずリンゴを剥く手を止めてしまう。