逆ハーレムに巻き込まれました。
「えー、必要かなぁ?それ」
「そりゃあもう、セリナちゃんが恋をした時のためにも必要だよ!参考になるし!」
「でもさぁ、私の魔力暴走がゲームのラストイベントだったんでしょ?ならもう気にしなくていいんじゃない?」
「甘い!その考え、カルピスの原液よりも甘いんだよセリナちゃん!!」
リタはそう言うと、ベッドから勢いよく立ちあがった。
その気迫に、『原液はまだ分かるけど、カルピスってなに?』と聞こうとしていた私は口をつぐむ。
「本来なら今の時期、まだゲームの序盤もいいところなんだよ!?それなのにラストイベントやっちゃうし!上手くいったからいいものの!!」
「ご、ごめんなさい…………」
「ほんとだよ、もー!セリナちゃんのおバカ!」
そう言うと、セリナちゃんはぷくっと頬を膨らませた。
……どうしよう、この子本当に可愛すぎるんだけど。特に『もー!』のとこ。
あぁ、やったら絶対に怒られるけど頭撫でたい!
「……ってちょっとセリナちゃん!?なんで私の頭を撫でてるの!」
「ごめん、つい」
「つい、じゃないでしょー!?」
どうやら、頭で考えるより先に行動を起こしていたようだ。
私は心の中でガッツポーズをしつつ、ますますむくれるリタに謝った。