逆ハーレムに巻き込まれました。
リタはまだムスッとしたまま、ベッドの上に座りなおす。
「……まぁ、分かったでしょ?最後のイベントが終わって死亡フラグが消えたとはいえ、まだ恋愛フラグが立つ可能性はあるのよ!」
「でも、リタが逆ハーレムルートにしたって言ってたよね?ならもうそれで決定なんじゃないの?」
「う……。い、いや!セリナちゃん、ここは現実なんだよ!?今からでも間に合うよ!」
「……さいですか」
どうやら、リタから説明を受けるのは決定のようだ。
反論を諦めた私が椅子に座りなおすと、リタは「よろしい」と満足げに頷いた。うん、その表情も可愛いです。
「じゃあ、聞かせてもらうけど……誰から教えてくれるの?」
「そうだなぁ……最初はサクヤ先輩でいこうか!」
そう言われた私は、焦げ茶色の長い髪と綺麗な青紫色の瞳を思い出した。
「サクヤ先輩は、口調が丁寧で物腰も柔らかい王子様系の生徒会長だね。いつも笑顔だけど、怒らせると要注意なの。
ちなみに、機嫌を取りたい時は自分の弱みを渡すのが効果的かなー」
「え、こわっ!?なにそれ恐すぎる!!」
私の頭の中に、『サクヤ先輩=大魔王』という公式が刻まれる。
「いやもちろん、よっぽど怒らせた時だけだよ!?」
「それでも十分怖いよ!うわぁ……あんま近づかない事にしよう……」
「んー、なんか逆効果になったような……。まぁいいや、次!リョウ先輩!」
ドン引きしている私を見たリタが、仕切り直すように次の人物を上げる。