逆ハーレムに巻き込まれました。
「真っ赤な髪と目が印象的なリョウ先輩は、いわゆるツンデレ!思ったことが素直に言えない意地っ張りなの!
身長がコンプレックスで、指摘されると顔も真っ赤になるんだー」
「あー……確かにね」
私はリョウ先輩とのファーストコンタクトを思い出して、つい頷いてしまう。
見知らぬ人間にいきなり決闘を申し込んじゃうくらいだもん、よっぽどなんだろうなぁ。
「あと、年上枠でいくなら忘れちゃいけないのがクール系担当のガンツ先生だね。
普段は無愛想で何にでも無関心な担任の先生なんだけど、実は戦闘のスペシャリスト!」
「……ちょっと想像できないなぁ」
いつも眠そうにしている藍色の目を思い出し、私は考え込む。
でも、『大討伐』の時は黄金龍であるクリュウ相手に善戦してたみたいだし……強いのは本当なんだろう。信じられるかどうかは別として。
「続いてヒース君。彼らは、強引な性格の俺様系だね!
完璧なようにみえて実は努力家で、一度取り組んだものにはすごく頑張るんだ!」
「あ、それは分かるかも」
確かに、『大討伐』の時に見た彼の剣筋は基本の型をとことんまで洗練させたような感じだった。
料理を教えた時も、私の教える事を一生懸命飲み込もうとしてたし。
(……ということは、あの後も料理の練習をしているんだろうか)
私はそう思いながら、強い意思を秘めた橙色の瞳を思い浮かべた。