逆ハーレムに巻き込まれました。
ハッと意識を取り戻した私は、上から落ちてくる刃をとっさにカタナで受け流して後ろに飛んだ。
さっきまで私の立っていた場所に、勢いよく大太刀がめり込む。
「おいおいどうした、気迫が足りないんじゃねーのか!?」
リョウ先輩はすぐに大太刀を地面から引き抜くと、そのまま水平に振ってきた。
私は地面を転がってそれを避けると、すぐに立ち上がって体勢を立て直す。
先輩へ向かって突き出した左手には、オレンジ色に輝く魔方陣。
「余裕ぶっこいてると串刺しになりますよ!【土槍】!」
唱えると同時に地面へと吸い込まれていく魔方陣。
そして次の瞬間には、地面から飛び出した大量の槍がリョウ先輩へ向かって襲いかかっていった。
「くっそ、鬱陶しい!」
しかし先輩は動じない。
忌々しそうな舌打ちを残して、自分を刺し貫かんとする槍を一気になぎ払った。
そして、そのままカタナを構えているこちらへ突進してくる。
「っらぁ!!」「くっ!」
金属同士の擦れ合うギィン!という不快な音と共に、大太刀とカタナが交錯する。
通常なら、大きさでも重さでも勝る大太刀がそのまま押し切るところなのだが――
「なっ!?」
押しても全く動かないカタナに、リョウ先輩は驚愕の声を上げた。