逆ハーレムに巻き込まれました。
あのパーティーの夜から数日後。
「うーん……何を送ったら喜んでもらえるんだろ」
一人でショッピングモールへとやってきた私は、立ち並ぶお店の前でキョロキョロと周囲を見回していた。
理由はもちろん、リョウ先輩の事。
――あれ以来、私は一方的にリョウ先輩と会うのを避け続けていた。
訓練だったとはいえ、手加減なしの魔法をぶっ放して気絶させる気絶させたのだ。
その上、直前で気付いたからまだ良かったとはいえ……き、き、キスしようとしたし。
いくら相手が『決闘には全力で』と言う人で、キスのくだりについては全く知らないとしても、私の罪悪感が消えるわけではない。
(『もうあんな失敗はしない』という気持ちを込めて、リョウ先輩にお詫びしたい!!)
そう考えた私は、謝るついでに先輩が喜びそうな物をプレゼントしようと考えた。
恐らく先輩は『訓練中の事だから』と言って受け取りを拒むけれど、そこは押し切るつもりだ。私にとっては『キス』に対する謝罪も入っているし。
むしろ、個人的にはそっちの方が重要だ。
「よし、そうと決まれば行動あるのみ!先輩が泣いて喜ぶ物を探すぞー!!」
気を取り直し、私はプレゼント探しを開始した。
……しかし、それから数時間後。
「ど、どうすればいいの……」
完全に行き詰まった私は、男性向けのお店の前で溜息をついた。