逆ハーレムに巻き込まれました。
「……はぁ。分かったから、とりあえずこの手を離せ。それから、そっちに進むと食料品しか売ってねぇぞ」
「え、そうなの!?じゃあどこのお店を見に行けばいいかな?」
「そうだな……じゃあ3階に上がってみるか。あそこなら雑貨屋もいくつかあるし、何か見つかるだろ」
「わかった!」
ヒース君の提案に従い、私たちは3階へ向かう。
そのまま案内されたのは、ショッピングモールの隅にあった一軒の小さな雑貨屋さん。
「こ、ここに入るの……?」
「あぁ。この雑貨屋は小さいけど、色々と変な物が置いてあるからな。面白いんだ」
ヒース君はそう言うと、薄暗い店内にスタスタと入っていく。
一人になるのは嫌だったので、おっかなびっくり後についていくと……中は、不思議な物で溢れていた。
「……わぁ!」
光魔法の込められた石が、天井に星空を映し出す幻想的な空間。
陳列されているのは、『食べたら浮かぶアメ(制御不能)』や『人の気持ちが色で見える眼鏡』など、どれも不思議な物ばかり。
「凄い凄い!なにこれ、おもしろーいっ!!」
興奮した私は、ヒース君と別れて一人で歩き出した。
誰が買うんだろうと思うほど大きな魔獣の剥製や、何やら怪しげな薬のレシピを見つけ、その度に私は驚きの声を上げてしまう。
――その時ふと、お店の隅で何かが光っていることに気付いた。