逆ハーレムに巻き込まれました。




無言のリョウ先輩に穴が開きそうなほど強く見つめられ、私は眉を八の字に垂らす。


っていうか、なんでそんなに私の顔をじっくり見つめるんですか先輩!気恥ずかしいじゃないですか!!


抗議の意味も兼ねて視線を合わせれば、その赤い輝きに吸い込まれるような錯覚を覚える。


それに動揺した私は、慌てて視線を逸らした。


困り切ってた私が青い目の女子(恐らくプレゼントを渡していた人)の方を見ると、彼女は私とリョウ先輩を見比べてから、納得したように頷いた。


不思議に思って首を傾げると、私の視線に気付いた彼女がこちらへ親指を立てる。


そして。



「先輩、それじゃあ私はこれで!」



とてもイイ笑顔を浮かべた彼女はパッと踵を返すと、軽い足取りでその場から立ち去ってしまった。


……いやいや、なんで笑顔で置いていくのさ!助けてくださいよちょっとーッ!!


リョウ先輩も「あぁ」とか返事しつつ私から視線を逸らさないし!


なんて心の中で叫ぶも、時すでに遅し。


すでに廊下は、私とリョウ先輩のみとなってしまっていた。


……気まずい空気が、私たちの間に流れる。


その静寂を破ったのは、リョウ先輩だった。




< 219 / 228 >

この作品をシェア

pagetop