逆ハーレムに巻き込まれました。
無言のリョウ先輩に穴が開きそうなほど強く見つめられ、私は眉を八の字に垂らす。
っていうか、なんでそんなに私の顔をじっくり見つめるんですか先輩!気恥ずかしいじゃないですか!!
抗議の意味も兼ねて視線を合わせれば、その赤い輝きに吸い込まれるような錯覚を覚える。
それに動揺した私は、慌てて視線を逸らした。
困り切ってた私が青い目の女子(恐らくプレゼントを渡していた人)の方を見ると、彼女は私とリョウ先輩を見比べてから、納得したように頷いた。
不思議に思って首を傾げると、私の視線に気付いた彼女がこちらへ親指を立てる。
そして。
「先輩、それじゃあ私はこれで!」
とてもイイ笑顔を浮かべた彼女はパッと踵を返すと、軽い足取りでその場から立ち去ってしまった。
……いやいや、なんで笑顔で置いていくのさ!助けてくださいよちょっとーッ!!
リョウ先輩も「あぁ」とか返事しつつ私から視線を逸らさないし!
なんて心の中で叫ぶも、時すでに遅し。
すでに廊下は、私とリョウ先輩のみとなってしまっていた。
……気まずい空気が、私たちの間に流れる。
その静寂を破ったのは、リョウ先輩だった。