逆ハーレムに巻き込まれました。
「ところで、セリナ」
「はい?なんでしょ……っ!?」
身体の力を抜いたその瞬間、私はリョウ先輩に抱き寄せられていた。
混乱して思わず固まっていると、背中に腕が回されて身体を固定されてしまう。
「なっ、ちょ、先輩!?」
「うるせぇ暴れんな」
低く潜められた声が耳に直接飛び込んできて、思わず私は抵抗する力を弱めた。
それを確認したリョウ先輩は、なぜか満足そうに笑う。
「なぁ、セリナ……。昨日、どうして俺が怒ってたのか、教えてやるよ」
「……っあ」
かぷりと耳を甘噛みされ、私は先輩の腕の中で背中をのけ反らせた。
「せ、先輩っ……。何してるんですか!」
「今日の俺は気持ち悪いくらい素直なんだろ?だから、自分の気持ちに素直になって行動してるだけだ」
「だ、だからってこんな……っ」
「んだよ、嫌なら暴れて俺を気絶させりゃいいだろ?お前ならできるんだから」
そう言うと、先輩は私の耳のフちをゆっくりと舐め上げた。
それに反応して思わず声を出しそうになった私は、慌てて口をつぐむと先輩の肩に顔を押し付ける。
背をさするように動いた手が、甘く私を刺激した。
ゾクリと背筋を震わせれば、私の耳元でリョウ先輩が小さく笑う。
「それで、俺がどうして怒っていたかだっけか?
それはな……」
「そ、そんな事より先輩離し……」
「俺が、お前の事を好きだからだ」
静かに呟かれたその一言に、私は思わず抵抗をやめた。