逆ハーレムに巻き込まれました。
夜空の下の宣戦布告
■6■
【リョウSide】
最初は、面白い転校生だと思っていた。
ただ、それだけだった。
***
「なぁ、セリナ。お前、いつから俺のこと好きだったんだ?」
学校からの帰り道。
俺たちは互いの手をつなぎながら、すっかり暗くなった寮までの道を歩いていた。
俺の問いかけに、セリナは不思議そうな表情をする。
「突然どうしたんですか?」
「……いや、ちょっと聞いてみたくなっただけだ」
俺の言葉を聞いたセリナは、その場にに立ち止まるとうーんと唸り始めた。
そのまましばらく考え込んだあと、意を決したように顔を上げる。
「あの、大変言いにくいんですけど……ちょっと答えられないんですよ、それ」
「は?なんでだよ」
「だっって私、さっき先輩に告白されるまで自分の気持ちが分からなかったんですもん」
「……そうだったのか」
俺は少し落胆しながら、つないだ手に少し力を込めた。