逆ハーレムに巻き込まれました。




『もうちょっと、女として危機感を持ってもらわないと……』


『そうですよね!ダメですよね!』



なにやらヒソヒソと囁き合っているのは男性陣。


私はひとまずそちらを放っておくことにして、リタさんへと向き直った。



「……で。何がダメなの?」


「な、何って!男の人と同室なんてダメに決まってるよぉ!」


「どうして?今までもずっと、私たち同じ部屋で生活してたんだけど」


「……そ、それでも!セリナちゃん可愛いから、誰かに襲われちゃうかもしれないしっ」


「それなら尚更、クリュウと同室の方がいいんじゃない?用心棒の意味も含めて」


「そのクリュウ君に襲われるかもしれないでしょ!?」



クリュウが目の前にいるにも関わらず、必死で食いついてくるリタさん。



(そんなに心配してくれるのは嬉しいけど、本当に大丈夫なんだけどなー……)



私は心の中で呟きながらも、そんなリタさんの心配を払拭するべく満面の笑みを浮かべると




「大丈夫。私もクリュウも、お互いに相手を異性だと思った事ないんだから!」




そのまま、力強く言い切った。


途端、ピタリと動きを止める私以外の3人。


……あれ?どうしたんだろう。




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