逆ハーレムに巻き込まれました。
「え。…………え!?」
一拍遅れて意識を取り戻した私は、慌てて周囲を見回した。
視界に入るのは、笑顔で拍手をしてくれているクラスメイトの人たち。
そして、奥にかけられた横断幕には
『ようこそ構築科へ&決闘勝利おめでとう!』
と大きな文字で書かれていた。
「え……こ、これって、全部私たちのために!?」
「うん!」
思わずこぼれた問いかけに、リタさんが笑顔で頷く。
私とクリュウは驚いて、お互いの顔を見合わせた。
――この学園に来るまで、私たちは冒険者ギルドに所属していた。
そこでは、重要な依頼を受けた事は何度かあったけれど……成功しても、誰もお祝いなんてしてくれなかった。
こちらを見つめる人々の目に宿っていたのは、畏怖と尊敬。
それだけ、だったのに。
「――――ありがとう」
私はあたたかい気持ちになりながら、優しいクラスメイト達に笑顔でお礼を述べたのだった。