逆ハーレムに巻き込まれました。
間章*彼らと彼女の関係性
■7■
かくして宴が始まり、魔法陣構築科の2年生はジュース片手に騒ぎ始めた。
セリナなどはよほど嬉しかったのか、笑顔のままオレンジジュースを一気飲みして驚かれている。後で腹を壊しても俺様は知らん。
(まぁ、たまにはこんなのもいいな)
俺様ことクリュウはそう心の中で呟きながら、部屋の隅から宴を眺めていた。
そんな俺様に、近づいてきた人間がいる。
決闘で審判をやっていた、担任のガンツとかいう男だ。
「……そなたが黄金龍だというのは、本当か」
無表情のまま、低い声で問われたのはそんなこと。
俺様は、黙って頷いてみせる。
……するとガンツは、俺様の足元を見ながらポツリとこぼした。
「……俺の育ったところには、龍が何匹か生息していた。
しかし領主様の厳命により、龍族は一匹も殺してはならず、それどころか戦おうとする事すら禁じられていた」
抑揚のない、ボソボソした声。
しかしその声には、静かな闘志が宿っているように感じた。