逆ハーレムに巻き込まれました。
「クリュウは校舎の外に怪しいのがいないか探して!私は校舎内に何か仕掛けがないか探す!」
「了解!」
私と一緒に冒険者として暮らしていただけあって、その動きは素早い。
物凄い速さで窓枠を掴むと、そのまま近くの木に飛び移り――って、
(……まるで猿のようだ)
人間の姿な上に男子用の制服に身を包んでいるクリュウは私から見ても格好いいけど、今の動きはどうよ。木から木へ飛び移るってお前。
(……クリュウが制服を破いて帰ってきませんように)
私は心の中でひっそりと祈りながら、一年の校舎へと足を向けた。
昨日転校してきたばかりの私には、そこにしか聞くアテがなかったのだ。
「失礼しまーす!シェイド君いますかー?」
治癒魔法以外にも、物理的な罠から盗聴対策の魔法まで様々なことを学んでいる補助魔法科。
そこへ飛び込んだ私は、驚きの光景に目を丸くした。
すなわち――シェイド君に、たくさんの女の子が群がっている光景に。