逆ハーレムに巻き込まれました。
犯人、特定です
■9■
時は移り、放課後。
「……失礼します」
私とクリュウは軽くノックをすると、『生徒会室』と書かれた立派な扉を開いた。
中に入ると、他のどの部屋よりも豪奢な内装になっていて驚く。
(この部屋だけ石畳じゃなくて赤絨毯かよ!ふっかふかだなオイ!この贅沢者ぉっ!)
「……セリナ、馬鹿なこと考えてないで歩け」
「あ、ごめんごめん」
私はハッと我に返ると、脳内ツッコミを封印しつつ足を進め始める。
中には生徒会役員なのだろう、何人かの生徒が書類をめくっていた。
私はそれらを全てスルーし、一番奥の机の前に立った。
「……おや、セリナさん。どうかしましたか?」
私たちに気付いて顔を上げたのは、朝に会ったサクヤ生徒会長。
書類を整理する手を止めてこちらへ笑顔を向ける先輩は、穏やかに微笑んでいる。